もくもく学習帳

2011年生まれの息子と父の学習帳

意外と侮れない『おさるのジョージ』

NHKで放映しているアニメ『おさるのジョージ』を息子が気に入っていて、よく見ています。子供向けのテレビ番組はいろいろ面白くて、つい見すぎてしまうこともあって注意が必要ですが、『おさるのジョージ』は私も一緒に見ていて案外いい番組だな、と感じています。

 

皆さんもご存知だと思いますが、「黄色い帽子のおじさん」と一緒にくらすサルのジョージが、人間をまねていろんなことをする話です。ジョージはほぼ人語を解するし、数も数えることができ、サルとしては異常なほど高い知能をもっていますが、それでもなにかと失敗をしでかしては、そこから学んでいくという展開が定番です。

「主人公が調子こいて失敗し、そこから学んで問題を解決、めでたしめでたし」という展開は子供番組ではよくありますが、『おさるのジョージ』はなんというか妙にその、問題解決のプロセスが合理的というか、精神論ではなくてロジカルなんですよね*1。原因を分析し、事象を観察し、仮説を立て、推論し、原理を展開して応用し、試行錯誤を経て…めでたしめでたし、となるんですよ。ストーリーの主題にも生物や自然現象が多いし。

で、ふとNHKのページを見てみたんです。

子どもたちは、ジョージのように、身のまわりのあらゆる ことに対して、好奇心をいっぱい抱いています。このアニメは、ジョージの冒険を通して、 子どもたちに「観察すること」 「原因を考えてみること」 「試してみること」など 科学的な考え方を学んでもらおうという番組です。

 あ、そういうことなのね。やっぱり科学的な態度ってものが主眼に置かれてるんですね。いや確かに子どものアニメにしちゃちょっと理屈っぽすぎるよなー、って。出てくる大人も、黄色い帽子のおじさんは博物館の学芸員らしいし(学芸員ってあんな感じなんでしたっけ?)、ワイズマン博士とか、なんか科学者がやたら出てくるし。

あとみんながジョージに何かを教えるときの教え方が、すごく丁寧というか、論理的なんですよね。まあ、そこがちょっと引いてみたときに「アンタが一生懸命教えてる相手はサルだぞ、そこわかってるの…?」とか「いくらジョージが賢いからってサルを信用しすぎだぞ、そんな人命に関わることを任せたら一歩間違えば大惨事…」とかいうツッコミをしたくなってしまう点でもあるのですが。なんかこういう風に考えると結構登場人物たちはクレイジーで、案外「本当は怖い」的なホラーとしても楽しめます。そう思うと段々とジョージが 猿の惑星: 創世記』のシーザーと重なってきたりして。いやなんか「黄色い帽子のおじさん亡き後、その追憶と共に生きながらもサルの自立のために群れを率いて立ち上がるジョージ」的な二次創作を誰か描いてくれないかなとか思ったりして。

 

どうでもいい妄想に脱線しました。

 

あとこれですね、親も結構学ぶ所あります。黄色い帽子のおじさんがスゴいんですよ。彼って、もしかして理想の父親かもしれないですよね。知的で自立してて、いつもポジティブで。マラソンが趣味で体力もある。「ルール」はしっかり守らせながらも、失敗を頭ごなしに否定することは決してしません。まず「すごいじゃないか」とジョージが「できたこと」を褒め、その上で「でもなジョージ…」と優しく諭す。ジョージを心から信じているからこその態度です。なかなかああはなれませんが、好奇心いっぱいで次々に「やらかす」ジョージにどう接しているか、いつも注目しています。

 

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*1:これは例えば『機関車トーマス』における失敗が多くの場合精神的なもの、慢心や軽率などを原因としていて、「反省」によって解決するのと対照的です