もくもく学習帳

2011年生まれの息子と父の学習帳

低学年の間の語彙力

最近読んだ論文

小学校低学年児童における読書量、語彙力、文章理解力の関係(PDF)

によると、

 近年の研究は、読書量という要因が語彙力と文章理解力の発達に極めて大きな影響を与えることを示している。Senechal(2006)は、親による本の読み聞かせという読書の前段 階と言える習慣が幼稚園児の語彙力に特に強く影響することを明らかにしている。このことは、これまで知られていた以上に早い時期から読書が語彙力を促進する関係が存在する ことを示唆している。さらに、Verhoeven, van Leeuwe, & Vermeer(2011)が行った大規模な縦断的調査では、小学校 1 年生時に見られる児童間の語彙力の差は、その児童たちが六年生になってもほぼ変わらず見られること、そして「 2 年生前期の語彙力が、 2 年生後期の文章理解力を予測し、 2 年生後期の文章理解力が、 3 年生の語彙力を予測する」という語彙力と文章理解力の相互促進関係が見られることが明らかになっている。

 これらを総合すると、読書はかなり早い時期から語彙力に影響し、そのときに生じた児童間の語彙力の差は、学年が上がっても埋まりにくく、語彙力と文章理解力は互いに高め合う相互促進関係を持つため、むしろ学年が上がるごとに語彙力と文章理解力において児童間の差は拡大していくという関係が示唆されるのである。

というのが最近の知見のようです。

で、この研究では低学年の読書量、語彙力、文章理解力の関係を調査したものです。読書量は、低学年では語彙力に貢献し、中学年では語彙力と文章理解力に直接貢献し、高学年では語彙力より文章理解力に主に貢献するといえるようです。また、語彙量と文章理解力が互いに強く影響するのは1~6年生まで変わらず見られるようです。

低学年のうちの文章理解力は、読書量が直接影響するというよりは、読書量によって得られた語彙力を経由している、というのが興味深いです。

 

さて、息子はまだほとんど自発的な読書はしていませんが、高学年にかけて徐々に読書習慣を作る必要はありそうです。小学校でもいろいろな取り組みがあるはずなので、いまあまり焦る必要はないかと思いますが。それに、低学年のうちは読書量そのものというより語彙力が文章理解力につながるようですから、あまり読書量にこだわらずに語彙を増やすことに注意を向けてやってもいいのかもしれません。

一応、子どもと会話をするときには基本的に大人と話す時とあまり言葉を変えずに話すようにしています。彼は会話の中でもテレビを見てても、わからない言葉があると結構その都度「○○って何?」と訪ねてくれるので、そこで教えるようにしています。口頭で簡単に説明して、いくつか用例を言ってみて、類義語や対義語を話したり。子どもが自分で用例を思いついて使ってみせてくれることもありますから、まあ今のところはこのくらいでもいいかなと。

 

それから、こんな記事も読みました。

ここで触れられている学術共通語彙というのも面白そうです。でも特に小学生向けの教材とかがあるわけではないので、どう学ばせるかという問題はありますが。

 

ただ、やってみたいなー、っていう教材はあるんですよね。

 薄くて取り組みやすそうです。難しい熟語を覚えるというより、幅広く色々な品詞の言葉を正しく使うための教材です。音読させていても、結構助詞とかを読み間違えるので、こういうのが効きそうだなと。

が、いまはそんなにあれこれ手を出せないので、そのうちやれれば、ですかね。

 

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