太陽が広い
(朝)
子「おとうさん、太陽が広い、って言う?」
父「え?いや、言わないね。太陽は大きい、だろうね。うーん、でももし太陽に降り立つことができたら、太陽は広い、って言えるかも」
子「そんなことできないよ。熱くて」
父「そうだね。広いっていうのはさ、こう、ひらけてる感じで…例えばボールが広いって言う?」
子「言わない。大きいって言う」
父「だよね。カタマリに対して使う言葉じゃないよね、広いって。たとえばこの冷蔵庫とか。冷蔵庫が大きいとは言えるけど」
子「うん」
父「あ、でも冷蔵庫の中は広いって言えるね。部屋が広いってのと同じで」
子「あー。空っぽにしたらもっと広くなるよ」
(夜)
父「太陽が広い、って話さ。地球は広い、って言い方があるから、じゃあ太陽も広いって言えるのかなって思ったってこと?」
子「そうそうそう」
父「やっぱりそうか。そうなのかなー、って後で思ったんだ」
子「ねえおとうさん」
父「なに?」
子「月、きれいだったね」
父「うん」
残念ながら、皆既月食が始まる頃には夢の中。次の機会には一緒に見よう。