もくもく学習帳

2011年生まれの息子と父の学習帳

読書『子どものための発達トレーニング』で土台を考えさせられました

超マイペースな息子、理解力に問題はないのですが、とっても気が散りやすいんです。今のところいわゆる発達障害を疑うほどではないと思うんですが、注意力を持続させたり、あとワーキングメモリを鍛えたりということは少し考えてもいいかな?と思いまして、こんな本を見つけたので読んでみました。

 

発達に課題のある子どものためのトレーニングを実践的に解説している本です。子どもの発達って、どの能力も均等に伸びていくわけではなくて、一人ひとりいろいろな育ち方をするんだと思うんですよね。それで、特に課題が大きくなって困っている度合いが深くなると発達障害として少し特別な対応が必要になってくるんだと思います。

で、この本はそうした子どもが抱えるいろいろな課題 ― 注意力、ワーキングメモリ、言葉、社会性など ― ごとに、課題のチェックリスト、それぞれの課題の概要に続けて、具体的なトレーニング方法を例示しています。例えば、注意力と一口にいっても「注意の持続」「選択的注意」「注意の転換」「注意の分配」などのように様々な要素があって、改善のためには一人ひとりの課題をきちんと捉える必要があると。当然、トレーニングもその課題にそったものが必要です。私はこうした考え方に触れるのは初めてなので、とても新鮮で勉強になりました。

紹介されているトレーニングは、普通の子育てや遊びと共通するものも多いのですが、課題の改善のために一工夫したもの、という感じです。あと小学校受験でやるような課題に似たものも結構ありますね。診断がつくほどではなくても、子どもが苦手とするような領域について、まずその背景を理解すること自体がそれを受け入れる余裕を作ってくれるように思います。その上で遊びや勉強の中でちょっと意識してやることでトレーニングにもなるようにしてやれば、うまくサポートしてやれるような気がします。

 

本書の最後で触れられている「愛着アプローチ」は、子育て全般で言えることだと思いますが、家庭が「安全基地」になることでトレーニングに大きな効果が生まれるというものです。一般的に言われるようなことではありますが、発達の課題という観点で本書を読んだ後では、より一層その重要性が理解できました。「安全基地」の条件としては「安全感」「応答性」「共感性」「秩序性」「振り返る力」が挙げられています。乳幼児期の子育てではしっかり意識していたようなことでも、年齢が上がるにつれておろそかになってきている面もあるので(私が子どもに甘えているんでしょうね)、この時期に本書を読んで「ああ、そうだったよね」と思い出す機会にもなりました。

 

 それと勉強させたい親としては注意したいこと。

もう一つ、子どもの安全感を脅かす要因となっているのは、親の価値観や期待を子どもに押し付けてしまうことです。「教育虐待」という言葉もよく使われるようになりましたが、子どもが望みもしない教育を押し付けることも、一つ間違うと虐待になってしまうのです。ごく普通の教育熱心な家庭ほど起きやすい問題と言えるかもしれません。(pp.339-340)

そんなことわかってるよ、と言わずに、いつも自分を振り返るようにしたいところです。

 

発達障害などがなくても、子どもを理解するヒントが多く得られる本だと思います。すべての親御さんにお薦めできる良書です。よくあるフワっとした子育て本(特に子どもへの関わりや生活習慣に関するもの)に比べて、それぞれの課題や背景がかなり明確に示されているので、トレーニングも効果をはっきり意識しながらできると思います。私も、家庭が息子にとって常に「安全基地」であるように注意しながら、紹介されているトレーニングを参考に注意力やワーキングメモリーを育ててやりたいと思います。

 

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